【ELBAMATT - エルバマット】
ELBAMATT(エルバマット)は、TEMPESTI(テンペスティ)社の代表商品で、植物タンニンなめしの特徴が最大限に現れている革です。
最高級であるベンズ(胴)部分の中央部分を使用し、厚さは約1.8mmあります。
なめし工程の中で「加脂工程」と言われる脂を加える工程が樽の中で行われますが、他社はこの加脂工程での脂を加える工程を減らし、最後の仕上げ工程にて「引き油」を行い、光沢を出します。表面油は時間と共に蒸発してしまいますので、徐々に光沢感が落ちていき硬くなってしまいます。
TEMPESTI社では「加油工程」で加える脂の量は他社の1.5~2倍ほど(原皮に対して約20%くらい)の量を加えて、じっくりと原皮に染み込ませていきます。その為、仕上げ工程で引き油を行わず革本来のマットな艶を味わっていただけます。使い込んでいくほど、革に染み込んだ脂がじわじわと出て、数年と共に艶が増し、じっくりと馴染むような柔らかさを実感いただけます。
ELBAMATTの独自製法は、約30年前に業界初の特許を取得しています。
【TEMPESTI - テンペスティ社】
テンペスティ社は数多くのタンナーが集まるイタリア・トスカーナ地方の中でも、
植物タンニンなめしの生誕地とも言われるサンタクローチェ地区にあるタンナーです。
創業は100年以上にもさかのぼり、代々伝統的ななめ製法を引き継いできました。
また、TEMPESTI社は1994年に設立された「イタリア植物タンニンなめし協会」の発起人でもあり、長年に渡りラグジュアリーブランド等へレザーを提供しています。
競合社の多くはすでに切り分けられた状態のショルダー部分の原皮を使用していますが、TEMPESTI社は原皮を丸々1枚の状態で仕入れ、自社工場にて切り分けいたします。
ショルダー部分は面積を一番多く取れ、長さを必要とするベルトや靴などに向いています。
肩から下のベンズ(胴)部分はショルダーより若干小さくなりますが、原皮の中でも一番美しく、最高級と言われる部分でもあります。
TEMPESTI社では主にデンマークなど北欧諸国産を使用。寒冷地で育った成牛は、きめが細かく、油脂分も多いのが特徴です。(*一般に最高級と言われるフランス産より上質です)